花チャンネル

日々、私の中から生まれる詩、言葉を綴っています。

語る背中

背中で語る人、と聞いてどんな人が思い浮かぶだろう。




私はお父さん。




とても無口でのんびり屋さん、怒ってる姿を一度も見たことがない。




怒られた記憶がない。



そんな穏やかな人。




お父さんとはそんなに話した事がなくて
その何も話さなくていい雰囲気が心地良くて。




私はなんでそんなにお父さんが無口なのかを、知ってる。



とっても簡単




「話すまでもないから」





お父さんは身に起こる全ての事を受け入れる。


そして全てを信頼してるから





「話すまでもない」

「君なら絶対大丈夫だから」



そう、背中が語ってる。







妹が結婚したい人がいると言ったとき


「君が選んだ人でしょ?悪い人じゃないよ、結婚したらいいじゃない」


と受け入れて。




結婚の挨拶の時は
お相手の人に事前に



「スーツはダメだよ、余計に緊張しちゃう。僕はそうだったからね。普段着で来なさい」




と伝えてて。






お父さんは自分とお母さんを
「ごく普通の夫婦だよ」
と言ってるけど



「夫婦げんかを一度もしたことがない、それこそ付き合ってる時からしたことがない」



それが
とても自慢な事を知ってる。



あまり話さないけどね。






私はそんなお父さんが大好き。


心の底から尊敬してる。





そして一生かけて追い付きたい目標。


大きな大きな、壁のような目標。






この間、そんな大好きなお父さんが倒れた。




その日の晩御飯はいつも通り、みんなでテレビ番組を見て笑って過ごしてた(笑)




「一人分作るの減るから、皿洗いが楽だわ~」なんて大笑い。







「危機感ないねぇ私たちは。一家の大黒柱が倒れたんだけどねぇ」



「えー大丈夫でしょう、倒れた先の病院でお医者さんとラグビーの話しで盛り上がってたし」



「あ~あ~、元ラガーマンのお父さんにラグビーの話振っちゃったんだ、お医者さん・・・」




「お医者さんも世間話のつもりで話したんだろうけどね」



「「ラグビーの事は、話し出したらとまらないよ」」



なんて
おばぁちゃんとお母さんと私で話してて
また大笑い!







お父さんが動けないなら、動ける私たちが動くだけだもの。
なにも問題ないよ。



そんな雰囲気が漂ってる。





そう
お父さんの


「語るまでもない」

「君なら絶対大丈夫だから」




という雰囲気は、私たち家族に骨の髄まで染み渡ってるんだよ。





お父さんが積み上げてきたものがしっかりここに在るんだよ。





「ぜんぶを丸ごと信頼してる
だからなにも心配してない
だから語るまでもない」


ってね



さてはて、大笑いするだけじゃなくて私にできる事はなにか、考えなくちゃね!