切り取った一枚絵のような空
水墨画。
白と黒の濃淡だけで表現する世界。
色のない世界なのに、鮮やかに見える。
なぜだろう、ずっと疑問だった。
昨日の夕方、曇り空が開けた。
ぽっかりと、そこだけ雲が無い。
穴の中は薄く白く、ふちは黒で彩られてた。
そして、中には月。
そこには黒と白の濃淡しかないはずなのに、綺麗だった。
これだ、これだったんだ。
この美しさを表現したかったんだ。
白と黒の間の無限のグラデーション。
この美しさを、佇まいをそのまま表現したかったんだ。
そしてその風景は、その瞬間にしかないもの。
それを切り取りたかったんだ。
生で見る、水墨画。
圧倒されるほど綺麗でした。
きっと当時の絵師の方が現代で水墨画を描いたら、ビルや街灯や橋も、月を背景に描き込むだろうなぁ。
普遍ですからね、美しさが。
2、300年前を生きる絵師の方達とリンクした気がしてとても嬉しかったです。
・・・「絵の具買うお金が無かったのかな?」なんて思っててすみませんでしたぁ(笑)